【抄読会】研修医の論文の探し方のコツ:どんな論文を選べばいいのか

多くの施設で行われているであろう『抄読会』。

研修医の頃は、抄読会の発表担当が特にイヤでした…
ローテート期間も短く、その科の勉強もしなければいけないのに、よくわからないジャーナルから論文を探し出すのが苦痛でした。

今回は、抄読会ではどんな論文が好まれるのかについて解説します。

できるだけ新しい論文がいい

できるだけ新しい論文のほうが、抄読会では喜ばれます。

理由は単純で、「まだその論文を読んだことがない」参加者が多いからです。

発表年で言えば1年以内、できれば3〜5年以内がいいかなと思います。
大学病院など、先端医療を担う施設であれば、1年以上前に発表された質の高い論文はすでに抄読会で発表されてしまっていることが多いでしょう。
いっぽう、市中病院での抄読会であれば、発表から3〜5年以内のものでも十分だという印象です。

抄読会で発表したい論文が10年以上も昔のものであるなら、その論文を抄読会であえて発表する意義を明確にするべきです。
たとえば、「最近自分が経験した症例に関するメジャーな論文」などでしょうか。

インパクトファクターが高いメジャー雑誌で探す

掲載誌のインパクトファクターの大小も、論文を選ぶうえではひとつの目安になります。

抄読会で読むなら、「基礎医学系の内容なら10点、臨床のものなら5点」という意見を目にしたことがあります。
ぼく自身、あまり明確に線引きをしたことはありませんが…。
別記事で紹介したような、定番のジャーナルから選んだ論文であれば、インパクトファクターが低いということは少ないでしょう。

サイト内別記事:【抄読会】論文の探し方のコツ:どこで探すか決めておく

インパクトファクターが高いということは、他の論文で引用されている頻度が高いことの証拠でもあります。
逆に、インパクトファクターが低いようなマイナー雑誌では、「当たり」(質の高い論文)を見つけられる可能性が下がります。
投稿する人や、査読をする人の立場になって考えてみると、「良い論文だからインパクトファクターが高いところに投稿したい!」「良い論文だから採用したい!」という考えがはたらくはずですよね。

時間の節約のためにも、まずはインパクトファクターが高い、メジャーな雑誌で論文を探しましょう。

Original Articleが定番

批判的吟味について勉強するという意味では、ReviewよりもOriginal Article(原著論文)のほうが有用とされています。
その中でも、研究手法としてRCT(Randomized Controlled Trial)を用いているものがすすめられます。

Review Articleは内容がよくまとまっていて、個人で読むのにはとても役立ちますよね。
ただし、「研究対象者の数が実は少ない」「介入の方法に実臨床とのズレがあり、自身の診療に応用しづらい」などのような落とし穴がありえます。

抄読会で「内容の妥当性について批判的吟味を加えながら読む」練習をするうえでは、Original Articleを使うことが多いです。

個人的に気にしてほしいポイント

研修医の先生に抄読会の発表を担当してもらうときに個人的に期待しているのは、

みずきち
「最近担当した症例に関するテーマでの論文」を選んできてくれること

です。

インパクトファクターの高い雑誌の、質が高い論文も勉強になります。
ただ、個人的には、「臨床の中で生じた疑問を解決する」という目的で論文検索を行う、ということを大事にしてほしいと思っています。
それに、担当症例に関するテーマであれば、内容を読むのにもより力が入りますよね。

「論文の質の高さ」も大事ですが、はじめのうちはどんなものが「質が高い」のかも分かりにくいと思います。
(ぼく自身、自分で十分に分かっているとは言い難いです…)

抄読会の準備を面倒に感じることもありますが、読む動機があれば多少なりとも準備はしやすくなるでしょう。

まとめ。はじめのうちは、とりあえず一本の論文を読み込んでみる

いろいろ解説しましたが、何よりまずは「一本の論文を徹頭徹尾読み込んでみる」に越したことはありません。

論文があまり質の良いものでなくても、抄読会で他の先生がコメントした「批判的吟味」を聞くだけでも、「論文には何が求められるのか」の勉強になると思います。

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