医学生の頃は、机に何時間でも向かって参考書を読み込めたという先生も多いと思います。ぼくも研修医になったばかりの頃は、その勢いで勉強を続けられると思っていました。
ところが専門医試験の勉強を始めると、状況が一変しました。外来や当直で時間が削られるだけでなく、覚えたはずの知識がどんどん抜けていくんです。同じ問題を3周しても、また同じところで止まる。震えました。
年齢とともに記憶力が落ちているわけではないのかもしれません。ただ、学生時代のような「まとめて覚える」勉強法が、もう今の働き方には合わないんです。ぼくと同じ悩みを抱えている先生も少なくないでしょう。
「まとまって勉強する時間なんて作っていられない!」
「スキマ時間に勉強するだけで試験に合格したい!」
「いまさら手書きでコツコツ暗記なんてやっていられない!」
そこでぼくが頼ったのが、Ankiという暗記アプリでした。
今回は専門医試験に合格するまでに実践した、スケジュール・デッキの作り方・1日のルーティンまで解説します。
- Anki初心者でも今日から迷わず始められる使い方
- 専門医試験まで3〜4ヶ月のAnki活用スケジュール
- 過去問を優先してカード化する効率的な順番
- 自作デッキの作り方とカードテンプレートの実例
- 1日のAnkiルーティン(いつ・何枚・どの場面で)
この記事はこんな先生にオススメです!
- 専門医試験、どう勉強すればいいかわからない
- 過去問を解いても数週間で忘れてしまう
- 当直や外来の合間にしか勉強時間を確保できない
- 効率よく、最小限の労力で試験に受かりたい
研修医の新生活でスタートダッシュを決めるための具体的なアイテム 勤務医が実際に使って効果を感じた仕事効率化グッズ サービス終了・名称変更など、知らないと損する最新情報仕事に真面目に取り組む研修医の先生たち[…]
医師になって数年、専門科も決まって、ある程度仕事にも慣れてきた頃。なんとなく知っている疾患やよくある病態ばかりを診るようになって、仕事にも慣れてきたかなと思う一方で、「なんだこれ、全然知らない」みたいな症例にも当たるわけで。[…]
Ankiとはどんなアプリ?
Ankiは、忘却曲線にもとづいて復習タイミングを自動で計算してくれるフラッシュカード型の暗記アプリです。
表面に問題、裏面に答えを書いたカードを作り、出題のたびに「思い出せたか」を答えるだけ。
どれぐらいスムーズに思い出せたかに応じて、「もう一度」「難しい」「正解」「簡単」の4段階から記録する仕組みです。
思い出せなかったカードほど早く、覚えているカードほど間隔を空けて出題されるんです。
もともとは語学学習者の間で広まったアプリですが、暗記量の多い医学部や医師国家試験、専門医試験の勉強にも使われるようになりました。
価格はプラットフォームによって差があります。
PC・Mac・Linux版とAnkiWebの同期サービス、Android版(AnkiDroid)は無料です。
いっぽうiPhone版(AnkiMobile)は買い切りで4,000円かかります(2026年6月現在)。
決して安くはありませんが、サブスクではなく一度払えば追加費用はかかりません。
スマホでのスキマ時間学習をメインにするなら、十分回収できる投資です。
※購入前にApp Storeで最新価格を確認してください。
Ankiが専門医試験の勉強にオススメな理由
①苦手なカードだけを優先して出題してくれる
一問一答形式で、「問題」と「答え」をシンプルにサクサク表示していきます。
短時間での学習に有利なスタイルです。
参考書の長文をゆっくり読み込むのもいいですが、ちょっとしたスキマ時間で効率的に勉強するならコレ。
問題文も、過去問などからコピペしてしまえばすぐに問題集が作れてしまいます。
②画像やリンクも貼り付けられる
文章だけでなく、画像もそのままコピペで取り込めます。
絵で覚えるほうが効率がいいという方もいるでしょうし、アナログの暗記カードにはない利点です。

③忘却曲線に合わせて、自動で復習タイミングが来る
学習を進めるときには、自分の理解度をその都度カードに覚えさせることができます。
「もう一度」や「難しい」を選べば比較的早いタイミングで再度出題されます。
「正解」や「簡単」を選ぶと、しばらくは同じ問題は出題されなくなります。
- 覚えにくい問題を最適なタイミングで覚えられる
- 覚えた問題に繰り返し時間を使わずにすむ
後者は見落とされがちですが、試験勉強では「できないことにだけ集中する」ほうが効率がいいです。
④スマホでもPCでもデータを共有できる
いっしょに専門医試験を目指す同期がいるなら、ぜひ手分けして問題集を作りましょう。
お互いに作った問題集を共有して勉強すれば時短になります。
さらに言えば、「同期や周りの受験者と同じ内容を学習する・同じ回答をする」というのは、専門医試験で合格する必要条件です。
専門医試験のためのAnkiの使い方
ここからは、ぼくが実際に小児科専門医試験に合格したときのAnkiの使い方をご紹介します。
まずは、実際のアプリの画面から。

まさに一問一答形式。文章は色々なところからコピペしただけなので、カード1枚ごとの作成時間は30秒もかかっていません。
問題を作るときに意識したポイントは3つです。
②カードの見栄えを気にしすぎない
③出典を明確にする
①過去問や問題集を中心に勉強する
志は立派ですが、試験勉強をするうえでスジが良いとは言えないと思います。
そのうえで、気になったところがあれば深堀りをしていけばいいでしょう。
②カードの見栄えを気にしすぎない
コピペしたときの微妙な誤字脱字や、改行のズレなどをいちいち直していたらキリがありません。
頭に入れればいいだけなのですから、内容が間違っていない限り細かい点は修正しないようにしたほうが時短です。
ただし、そこに時間を使いすぎては本末転倒!
「覚えるだけでいいんだから、細かい設定は不要」と割り切って付き合いましょう。
③出典を明確にする
「あとあと確認しやすくするため」というのもありますが、「できるだけ公的な資料を情報源にする意識を持つため」というのが大きいです。
「厚労省の〇〇の資料に書いてあった情報だから、正しいはず」「ネットに載っていただけだから、信頼度はイマイチなんだけどね…」という温度感を持って、お互いに有益な情報交換をしましょう。
これから国試勉強を始める方,効率的なノートの作り方を探している方必見!「Anki」を活用したデジタルノートの作り方をご紹…
専門医試験合格のためのAnki活用スケジュール
Anki自体は強力ですが、試験までの残り期間によって使い方を変えないと、直前期に新規カードの山に押されて過去問演習が手薄になります。ぼくが実践していた3段階を紹介します。
4ヶ月前〜3ヶ月前:過去問優先のインプット期
この時期にいきなり教科書やガイドラインを片っ端から読んでカード化するのは効率が悪いです。過去問があるなら、まずそれを解いて出てきた論点を最優先でカード化しましょう。過去問でカバーされていない範囲だけ、教科書やガイドラインで補います。
新規カードの目安は1日30〜40枚。期間が短いぶん、最初の1ヶ月で一気に作り切るイメージです。この時期は正答率を気にせず、「カードを作ること」自体を勉強として扱いましょう。
2ヶ月前〜1ヶ月前:過去問を2周目以降で結びつける期
1周目の過去問が終わったら、時間を計って本番に近い形で2周目を解きます。間違えた問題やケアレスミスをその日のうちにカード化し、「出題年」をタグ付けしておくと頻出論点が見えてきます。新規カードは1日10枚程度に減らし、復習中心に切り替えます。復習枚数の目安は1日100〜150枚です。
直前期(残り2〜3週間):絞り込みと高速回転期
新規カード作成はストップします。正答率が低いカードだけを集めたフィルターデッキを作り、1日200枚を超える勢いで高速回転させます。直前1週間は新しい知識を増やすより、既存カードの取りこぼしをゼロにすることに集中しましょう。
直前期は復習時間を確保するために睡眠を削りたくなりますが、それで集中力が落ちると逆効果です。こちらの記事も参考にしてください。
「忙しくて寝る時間が取れない」「寝不足だけど、何とかなる!」そんなふうに思っているあなた――ちょっと待ってください!かつての僕もそうでした。学生時代は徹夜なんて当たり前、当直明けでも元気に遊びに行くのが普通だと思っていました。でも、3[…]
Ankiのインストール手順
一般的なアプリのユーザー登録と代わりはありません。公式サイトはコチラ。
https://apps.ankiweb.net/
①アカウント作成
②パソコン版のAnkiをインストール
③スマホ版のAnkiをインストール
それぞれ、特に解説もいらないぐらい簡単です。
スマホ版のAnkiは有料です。
あとはデッキ(問題集)と個別の問題を作っていくのみ!
言うまでもなくPCのほうが操作性が高いので、問題作成はPC版のAnkiでするようにしましょう。
あとはスキマ時間にひたすらスマホで問題を解くだけです。
まとめ
いかがでしたか? Ankiは確かに最初は少し手間がかかりますが、一度使い方を覚えてしまえば、あなたの勉強法を大きく変えてくれるはず!
ぼく自身、Ankiのおかげで勉強のスピードが格段に上がり、余裕を持って合格できました。定期的な復習のサイクルを作って、知識をどんどん吸収していきましょう。Ankiで試験勉強を効率化し、合格に向けて一歩ずつ進んでいってください。コツコツ積み重ねた努力は、必ず結果に結びつきます。
追伸:何から手をつければいいか迷っているなら、まずは直近の過去問1年分をカード化することから始めてみてください。そこが一番点数に直結します。
研修医の新生活でスタートダッシュを決めるための具体的なアイテム 勤務医が実際に使って効果を感じた仕事効率化グッズ サービス終了・名称変更など、知らないと損する最新情報仕事に真面目に取り組む研修医の先生たち[…]
医師になって数年、専門科も決まって、ある程度仕事にも慣れてきた頃。なんとなく知っている疾患やよくある病態ばかりを診るようになって、仕事にも慣れてきたかなと思う一方で、「なんだこれ、全然知らない」みたいな症例にも当たるわけで。[…]





